92回薬剤師国家試験問28 溶媒抽出法に関する記述
92回薬剤師国家試験 問28
溶媒抽出法に関する記述のうち、正しいものはどれか。
a 水溶液中の目的成分を有機相に抽出するための有機溶媒として、メタノールやアセトニトリルが適している。
b 水溶液中の目的成分が酸性物質である場合、この水溶液をアルカリ性にすれば有機溶媒で抽出されやすくなる。
c 水溶液中の目的成分を有機相に効率的に抽出するために、塩化ナトリウムなどの無機塩を水相に飽和濃度まで添加することがある。
d 水溶液中の目的成分の有機溶媒への抽出率は、用いる有機溶媒の体積には影響されない。
e 水溶液中の目的成分を一定量の有機溶媒で抽出する場合、一度で抽出するより抽出回数を増やした方が抽出効率は高くなる。
92回薬剤師国家試験 問28 解答解説
溶媒抽出法は、試料に溶媒を加え、互いに混じり合わない2つの液体から成る上層と下層の二層とし、いずれかの層に目的物質を抽出する。
◆ aについて
a × 水溶液中の目的成分を有機相に抽出するための有機溶媒として、メタノールやアセトニトリルが適している。
→ 〇 水溶液中の目的成分を有機相に抽出するための有機溶媒として、ジエチルエーテルや1-ブタノール,ヘキサン,クロロホルムなどの水と混和しない有機溶媒を用いる。
詳細は下記のリンク先を参照
溶媒抽出で用いる有機溶媒 95回問29a
◆ bについて
b × 水溶液中の目的成分が酸性物質である場合、この水溶液をアルカリ性にすれば有機溶媒で抽出されやすくなる。
→ 〇 水溶液中の目的成分が酸性物質である場合、この水溶液を酸性にすれば有機溶媒で抽出されやすくなる。
詳細は下記のリンク先を参照
酸性物質の溶媒抽出と水相のpH 92回問28b
◆ cについて
c 〇 水溶液中の目的成分を有機相に効率的に抽出するために、塩化ナトリウムなどの無機塩を水相に飽和濃度まで添加することがある。
詳細は下記のリンク先を参照
溶媒抽出法の塩析法 92回問28c
◆ dについて
d × 水溶液中の目的成分の有機溶媒への抽出率は、用いる有機溶媒の体積には影響されない。
溶媒抽出において、一般に、
用いる有機溶媒の体積が大きいほど、
有機溶媒への抽出率は高くなる。
◆ eについて
e 〇 水溶液中の目的成分を一定量の有機溶媒で抽出する場合、一度で抽出するより抽出回数を増やした方が抽出効率は高くなる。