100回薬剤師国家試験問198 プロスタグランジンE1のα-シクロデキストリンへの包接化の平衡定数

100回薬剤師国家試験 問198
注射用アルプロスタジルアルファデクス中のα-シクロデキストリンは、プロスタグランジンE1をモル比1:1で包接する。注射用アルプロスタジルアルファデクス(20μg)を25℃、1mL 注射用水に溶解した。この時、65%のプロスタグランジンE1がα-シクロデキストリンから解離していた。プロスタグランジンE1のα-シクロデキストリンへの包接化の平衡定数(L・mol−1)として最も近いのはどれか。1つ選びなさい。ただし、この注射用粉末にはプロスタグランジンE1が56.4nmol、α-シクロデキストリンが685nmol含まれるとする。
1 8.1× 102
2 9.0× 102
3 9.0× 103
4 8.1× 104
5 9.0× 105

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100回薬剤師国家試験 問198 解答解説

 

正解は1の8.1× 102である。

 

α-シクロデキストリンによるプロスタグランジンE1の包接は下記の可逆反応式で表される。

 

100回薬剤師国家試験問198 プロスタグランジンE1のα-シクロデキストリンへの包接化の平衡定数

 

問題文に「65%のプロスタグランジンE1がα-シクロデキストリンから解離していた」とあるので、平衡時において、PGE1のうち、35%が包接化され、65%が解離していたと考えられる。
この注射用粉末には合計してプロスタグランジンE1が56.4nmol、α-シクロデキストリンが685nmol含まれるので、平衡時の各化学種の濃度は下記の通り。
PGE1:56.4nmol/L×0.65=36.7×10−6mol/L
αCD:685nmol−(56.4nmol/L×0.35) =665.3×10−6mol/L
PGE1−αCD:56.4nmol/L×0.35=19.7×10−6mol/L

 

以上より、求める平衡定数Kは次のように計算できる。

 

100回薬剤師国家試験問198 プロスタグランジンE1のα-シクロデキストリンへの包接化の平衡定数

 

 

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