受容体−リガンドの解離平衡 102回薬剤師国家試験問95

102回薬剤師国家試験 問95
ある受容体(R)に結合するリガンド(L)があり、L はR と1:1で結合する。この平衡反応の解離定数(Kd)を1μM とする。1μM のR が存在しているところにL の濃度が[ア]μM となるように添加したとき、平衡状態において全受容体のうちL が結合した受容体の割合は20%となった。[ア]にあてはまる数値に最も近いのはどれか。1つ選びなさい。ただし、系の体積変化は無視できるものとする。

 

1 0.25
2 0.45
3 0.50
4 0.75
5 0.80

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102回薬剤師国家試験 問95 解答解説

 

正解は2の0.45である。

 

設問の受容体(R)からのリガンド(L)の解離は下記の可逆反応で表される。

 

受容体−リガンドの解離定数 102回薬剤師国家試験問95

 

問題文に「1μM のR が存在しているところにL の濃度が[ア]μM となるように添加したとき、平衡状態において全受容体のうちL が結合した受容体の割合は20%となった。」とあるので、平衡時において、全受容体のうち、20%はLが結合し、80%はLが結合していないと考えられる。
これより、平衡時の各化学種の濃度は下記の通り。
L−R:0.2×1μM=0.2μM
R:0.8×1μM=0.8μM

 

設問の平衡反応の解離定数(Kd)は1μMであるので、
Kdの式より、平衡時の遊離のLの濃度は次のように計算できる。

 

受容体−リガンドの解離定数 102回薬剤師国家試験問95

 

よって、求める全リガンド濃度は下記のように計算される。
全リガンド濃度 = 結合型Lの濃度 + 遊離型Lの濃度
         = 0.2μM + 0.25μM
         = 0.45μM

 

 

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