溶質の分配係数は、溶け込んでいる溶質の濃度によって変化しない 98回薬剤師国家試験問94の1
第98回薬剤師国家試験 問94の1
互いに混ざり合わない2つの液相間における分配平衡に関する記述の正誤を判定してみよう。
1 溶質の分配係数は、溶け込んでいる溶質の濃度に比例して大きくなる。
第98回薬剤師国家試験 問94の1 解答解説
1 × 溶質の分配係数は、溶け込んでいる溶質の濃度に比例して大きくなる。
→ 〇 溶質の分配係数は、溶け込んでいる溶質の濃度によって変化しない。
☆ 分配平衡と分配係数KD
2つの互いに混ざり合わない溶媒AとBによる二液相において、ある溶質Sの化学種T形(ST)が2つの溶媒に分配されるとき、平衡状態では溶媒AにおけるSTの濃度([ST]A)と溶媒BにおけるSTの濃度([ST]B)の比が一定の決まった値と等しくなるよう溶質STは分配される。これを分配則と呼ぶ。
添え字のAは液相A,Bは液相Bを表すとする。
上記の分配平衡の平衡定数を(真の)分配係数KDと呼び、次式が成り立つ。
(真の)分配係数KDは、使用する有機溶媒,温度,圧力が一定ならば、溶質の化学種ごとに固有の一定値を示す。
溶媒AとBによる二液相において、ある溶質Sの化学種T形(ST)が分配されるとき、平衡状態では[ST]Aと[ST]Bの比が分配係数KDの値と等しくなる。
以上より、
分配平衡の平衡定数である分配係数KDは、溶質の濃度によって変化するものではない。
★参考外部サイトリンク
分配係数とは(nateoさん)
★他サイトさんの解説へのリンク
98回問94(yakugaku labさん)