薬物の経口吸収に及ぼす食事の影響とそのメカニズム 102回薬剤師国家試験問165
102回薬剤師国家試験 問165
薬物の経口吸収に及ぼす食事の影響とそのメカニズムの組合せとして、正しいのはどれか。2つ選びなさい。
102回薬剤師国家試験 問165 解答解説
薬物の経口吸収に及ぼす食事の影響とそのメカニズムの組合せとして、
正しいのは1と3である。
◆ 1:インドメタシンファルネシルについて
インドメタシンファルネシル(インフリー)の構造には炭素数15のファルネシル基があり、脂溶性が高く難溶性の薬物である。
インドメタシンファルネシルは、脂肪が含まれる食物により分泌される胆汁中の胆汁酸により可溶化されるため、吸収量が増大する。
◆ 2:エチドロン酸二ナトリウムについて
エチドロン酸二ナトリウム(ダイドロネル)のようなビスホスホネート製剤は、
食物成分とキレートを形成し、吸収量が低下する。
◆ 3:セファクロルについて
セファクロル(ケフラール)は小腸で単純拡散により吸収される薬物であり、
食事により胃内容排出速度が低下すると、吸収速度が低下する。
◆ 4:メナテトレノンについて
メナテトレノン(ビタミンK2)は脂溶性のビタミンであり、
脂肪が含まれる食物により分泌される胆汁中の胆汁酸により可溶化されるため、吸収量が増大する。
関連問題
ビタミンK2の構造とナフトキノン,プレニル基 106回問125の5
◆ リボフラビンについて
リボフラビン(ビタミンB2)は十二指腸付近のトランスポーターを介して吸収される。
食事や抗コリン薬により胃内容排出速度が低下すると、リボフラビンが少しずつ小腸に輸送され、
トランスポーターが飽和しにくくなるので吸収量が増大する。
一方、絶食などで胃内容排出速度が上昇すると、短時間で多くのリボフラビンが小腸に輸送され、
トランスポーターが飽和しやすくなるので吸収量が低下する。
関連問題
食事によるバイオアベイラビリティの変化 109回問171
★ 他サイトさんの解説リンク
102回問165(e-RECさん)