日焼け止めの遷移エネルギーに相当する紫外線の波長 102回薬剤師国家試験問203
102回薬剤師国家試験 問203
日焼け止め剤には、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤が配合されている。ある紫外線吸収剤は共役系を持ち、その遷移エネルギーは360kJ・mol −1であった。この遷移エネルギーに相当する紫外線の波長(nm)として最も近いのはどれか。1つ選びなさい。ただし、様々な物理定数は以下の値を用いることとする。
1 240
2 270
3 300
4 330
5 360
102回薬剤師国家試験 問203 解答解説
正解は4の330である。
本問は、
360kJ・mol −1のエネルギーの紫外線の波長を求める問題と考えられる。
光は光子と呼ばれる粒子の集合と捉えられる。
1個の光子の持つエネルギー(E)は、
下記の式で表される。
E = h・ν …@
(h:プランク定数 ν:振動数)
次に、光の速度(c)について、次式が成り立つ。
c = λ・ν
(λ ラムダ:波長 ν ニュー:振動数)
これを変形すると、光について次式が成り立つ。
式Bに設問で与えられた数値を代入すれば、
目的の紫外線の波長が求められる。
ただし、式BのEは光子1個のエネルギーであり、
設問で与えられている360kJ・mol −1は光子1molのエネルギーである。
光子1個のエネルギーに換算するにはアボガドロ数で割ればよい。
プランク定数(h)は6.6×10−34J・s,
光速度(c)は3.0×108m・s−1
であるので、B式より波長(λ)は下記のように計算される。
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第102回問202,203(e-RECさん)