83回薬剤師国家試験問20 X線に関する次の記述の正誤
83回薬剤師国家試験 問20
X線に関する次の記述の正誤について、正しいものはどれか。
a X線はフイルムに塗布した写真乳剤に潜像を形成させる。
b X線の振動数は赤外線の振動数よりも大である。
c X線を用いる回折法で固体薬物が結晶性であるかどうかを判断できる。
d X線は動物の硬組織よりも軟組織の方が透過しにくい。
83回薬剤師国家試験 問20 解答解説
◆ aについて
a 〇 X線はフイルムに塗布した写真乳剤に潜像を形成させる。
◆ bについて
b 〇 X線の振動数は赤外線の振動数よりも大である。
X線の振動数は赤外線の振動数よりも大であるため、
X線のエネルギーは赤外線のエネルギーよりも大きい。
電磁波の波長と振動数は反比例するので、
X線の波長は赤外線の波長よりも短い。
下記のリンク先を参照
電磁波の波長・波数と対応する分析法 91回問25
◆ cについて
c 〇 X線を用いる回折法で固体薬物が結晶性であるかどうかを判断できる。
粉末X線回折測定法は結晶、結晶多形及び溶媒和結晶の同定、判定、定量、結晶化度の評価などに用いることができる。
◆ dについて
d × X線は動物の硬組織よりも軟組織の方が透過しにくい。
→ 〇 X線は動物の軟組織よりも硬組織の方が透過しにくい。
X線は原子番号の小さい原子よりも大きい原子の方が吸収されやすい。
それに関連して動物組織では、
X線の吸収率が高い方から、
骨 >> 血液,肝臓,腎臓,心臓,腸 > 脂肪 >> 肺
という序列になる。