心収縮期に左室から左房へ血液の逆流が生じる病態 111回薬剤師国家試験問58の解説
111回薬剤師国家試験 問58
心収縮期に左室から左房へ血液の逆流が生じる病態はどれか。
1つ選びなさい。
1 僧帽弁閉鎖不全症
2 僧帽弁狭窄症
3 大動脈弁閉鎖不全症
4 大動脈弁狭窄症
5 三尖弁閉鎖不全症
111回薬剤師国家試験 問58 解答解説
心収縮期に左室から左房へ血液の逆流が生じる病態は、
選択肢1の僧帽弁閉鎖不全症です。

以下で解説します。
僧帽弁閉鎖不全症とは
僧帽弁は、左心房と左心室の間にある弁で、
左室から左房への血液の逆流を防いでいます。
心収縮期には、左室が収縮して血液を大動脈へ送り出しますが、
このとき、本来なら、
僧帽弁が閉じて、
左室から左房へ血液が戻らないようにしています。
しかし、心収縮期に僧帽弁がうまく閉じないと、
左心室内の血液が左房へ逆流します。
これが 僧帽弁閉鎖不全症 です。
以下では他の選択肢について解説します。
2 僧帽弁狭窄症
僧帽弁狭窄症では、僧帽弁が狭くなり、
血液が
左房 → 左室
へ流れにくくなります。
主に問題となるのは心拡張期です。
心拡張期に左房から左室へ血液が流入するため、
僧帽弁が狭いと左室に血液が入りにくくなります。
3 大動脈弁閉鎖不全症
大動脈弁は 左室から大動脈へ血液が出ていく出口の弁です。
心収縮期には大動脈弁が開いて、
左室 → 大動脈
へ血液を流します。
心拡張期には大動脈弁が閉じて、
大動脈 → 左室
への逆流を防ぎます。
大動脈弁閉鎖不全症では、大動脈弁がうまく閉じないため、
心拡張期に血液が
大動脈 → 左室
へ逆流します。
4 大動脈弁狭窄症
大動脈弁狭窄症では、大動脈弁が狭くなり、
心収縮期に血液が
左室 → 大動脈
へ流れにくくなります。
逆流ではなく、駆出障害が中心です。
5 三尖弁閉鎖不全症
三尖弁は、右房と右室の間にある弁です。
右室から右房への血液の逆流を防いでいます。
心収縮期には、右室が収縮して血液を肺動脈へ送り出しますが、
このとき、本来なら、
三尖弁が閉じて、
右室から右房へ血液が戻らないようにしています。
三尖弁閉鎖不全症では、心収縮期に血液が
右室 → 右房
へ逆流します。