薬剤師国家試験過去問題集 コントロールドリリース

リュープロレリン酢酸塩注射用キット3.75mg 109回薬剤師国家試験問267

109回薬剤師国家試験 問267
下記の処方2の製剤に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選びなさい。

 

109回薬剤師国家試験問267 リュープロレリン酢酸塩注射用キット3.75mg

 

1 乳酸・グリコール酸共重合体が使用されている。
2 高分子で薬物結晶をコーティングしている。
3 マトリックスを形成している高分子が分解することにより薬物を放出する。
4 自己乳化型マイクロエマルション製剤である。
5 粉末部の薬剤を液体部の溶液で溶解して使用する製剤である。

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109回薬剤師国家試験 問267 解答解説

 

109回薬剤師国家試験問267 リュープロレリン酢酸塩注射用キット3.75mg

 

◆ 1,2,3について
1 〇 乳酸・グリコール酸共重合体が使用されている。

 

2 × 高分子で薬物結晶をコーティングしている。

 

3 〇 マトリックスを形成している高分子が分解することにより薬物を放出する。

 

リュープロレリン酢酸塩注射用キット3.75mgは、生体内分解性高分子の乳酸・グリコール酸共重合体を基剤としたマイクロカプセルに、LH-RH誘導体のリュープロレリン酢酸塩を含有させた製剤である。
皮下投与後、マイクロカプセルでマトリックスを形成している乳酸・グリコール酸共重合体がゆっくりと分解することで、徐々にリュープロレリン酢酸塩を放出する。
よって、本剤は、高分子から成るマトリックスに薬物を封入した製剤であり、
高分子で薬物結晶をコーティングしているのではない。

 

 

◆ 4,5について
4 × 自己乳化型マイクロエマルション製剤である。

 

5 × 粉末部の薬剤を液体部の溶液で溶解して使用する製剤である。
→ 〇 粉末部の薬剤を液体部の溶液で懸濁して使用する製剤である。

 

乳酸−グリコール酸重合体は水に不溶であるため、
これを基剤とするマイクロカプセルの注射は懸濁性注射剤となる。

 

自己乳化型マイクロエマルション製剤については
下記のリンク先を参照
自己乳化型エマルション製剤のネオーラル 106回問284,285

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