持続性点眼液中のメチルセルロースのゾル−ゲル転移 104回薬剤師国家試験問177の3
104回薬剤師国家試験 問177の3
放出制御型製剤に関する記述の正誤を判定してみよう。
3 チモロールマレイン酸塩と添加剤であるメチルセルロースを含む持続性点眼剤は、熱可逆的ゾル−ゲル相転移特性を利用して、結膜嚢での薬物の長時間滞留を可能にした製剤である。
104回薬剤師国家試験 問177の3 解答解説
3 〇 チモロールマレイン酸塩と添加剤であるメチルセルロースを含む持続性点眼剤は、熱可逆的ゾル−ゲル相転移特性を利用して、結膜嚢での薬物の長時間滞留を可能にした製剤である。
メチルセルロースの水溶液は、低温では粘性の低いゾルであるが、温度が上昇すると粘性の高いゲルとなる。この性質を熱可逆的ゾル−ゲル相転移特性と言い、メチルセルロースは可逆的な熱応答ゲル基剤として用いられる。
リズモンTG点眼液は、チモロールマレイン酸塩を主薬とし、メチルセルロースを可逆的な熱応答ゲル基剤として添加した持続性の緑内障・高眼圧症治療剤である。
リズモンTG点眼液は、点眼後、点眼液が眼表面温度付近でゲル化し、粘性が高まることで、チモロールマレイン酸塩の結膜嚢での滞留時間が延長し、眼圧下降効果が持続するよう設計されており、1日1回の点眼で24時間の眼圧下降作用が確認されている。