イオタラム酸の構造と化学名 薬剤師国家試験
第91回薬剤師国家試験 問2
日本薬局方医薬品の構造に対する化学名の正誤を判定してみよう。
b.3,5-Bis(acetylamino)-2,4,6-triiodobenzonic acid
第91回薬剤師国家試験 問2 解答解説
b. × 3,5-Bis(acetylamino)-2,4,6-triiodobenzonic acid
→ 〇 3 -Acetylamino-2,4,6,-triiodo-5-(methylcarbamoyl) benzoic acid
設問の化合物はイオタラム酸である。
優先順位は、カルボン酸>アミド なので、
主基はCOOHである。
官能基の優先順位については、下記のリンク先を参照
IUPAC命名法 官能基の優先順位 100回問10
母核は安息香酸(benzoic acid)である。
環状炭化水素に直接主基が結合している構造が母核である場合、主基が結合しているベンゼン環の炭素を1位とする。
◆ 置換基の命名
緑色で囲った置換基は母核にNで結合するためアミンとして命名され、acetylaminoとされる。
青色で囲った置換基は母核にCOで結合するためアミドとして命名され、methylcarbamoylとされる。
上記の2つの置換基はいずれも母核のベンゼン環の1位から2つ目の炭素に置換しているので、頭文字のアルファベットにより、acetylamino基が3位、methylcarbamoylが5位に置換するとされる。
以上のことから、イオタラム酸の化学名は、
3 -Acetylamino-2,4,6,-triiodo-5-(methylcarbamoyl) benzoic acidである。
★参考外部サイトリンク
命名法(猫でもわかる有機化学さん)