バクロフェンの構造と化学名 96回薬剤師国家試験問2a
第96回薬剤師国家試験 問2a
日本薬局方医薬品aの構造に対する化学名の正誤を判定してみよう。
a．(3RS)-4-amino-3-(4-chlorophenyl)-butanoic acid
第96回薬剤師国家試験 問2a 解答解説
a．○ (3RS)-4-amino-3-(4-chlorophenyl)-butanoic acid
または、(±)-4-amino-3-(4-chlorophenyl)- butanoic acid
設問の化合物は、筋弛緩薬のバクロフェン（ギャバロン、リオレサール）の構造である。
◆ 主基・母核
優先順位は、カルボン酸＞アミン なので、
主基はカルボキシ基である。
官能基の優先順位については、下記のリンク先を参照
IUPAC命名法 官能基の優先順位 100回問10
母核（主鎖）はCOOHのCを含めた炭素数4の直鎖状カルボン酸であるブタン酸である。
よって、母核＋接尾語はbutanoic acidである。
◆ 置換基の命名
直鎖状のカルボン酸（またはカルボン酸誘導体）の炭素番号の付け方について、カルボキシ基のC=OのCを1位とする。
よって、母核において、4位にamino基、
3位に4-chlorophenyl基が置換するとされる。
◆ 立体
母核の3位炭素は不斉中心なので立体を示す必要がある。
「及び鏡像異性体」とあり、互いに鏡像異性体の化合物の混合物であるため、
立体は（3RS）または(±)と示される。
以上のことから、バクロフェン（ギャバロン，リオレサール）は、
(3RS)-4-amino-3-(4-chlorophenyl)-butanoic acid
または、(±)-4-amino-3-(4-chlorophenyl)- butanoic acid となる。
★参考外部サイトリンク
命名法（猫でもわかる有機化学さん）