エドロホニウム塩化物の構造と化学名 薬剤師国家試験
第91回薬剤師国家試験 問2c
日本薬局方医薬品の構造に対する化学名の正誤を判定してみよう。
c. N-Ethyl-N-(3-hydroxyphenyl)-N,N-dimethylammonium chloride
第91回薬剤師国家試験 問2c 解答解説
c. × N-Ethyl-N-(3-hydroxyphenyl)-N,N-dimethylammonium chloride
→ 〇 N-ethyl-3-hydroxy-N,N-dimethylanilinium chloride
設問の化合物はコリンエステラーゼ阻害薬のエドロホニウム塩化物(アンチレクス)である。
優先順位は、陽イオン>アルコール なので
主基はアミニウムである。
官能基の優先順位については、下記のリンク先を参照
IUPAC命名法 官能基の優先順位 100回問10
母核はアニリンの陽イオンであるため、
母核+接頭語はaniliniumとなる。
環状炭化水素に直接主基が結合する構造が母核である場合、主基が結合しているベンゼン環の炭素を1位とする。
下記の通り、エドロホニウム塩化物(アンチレクス)の化学名は、
N-ethyl-3-hydroxy-N,N-dimethylanilinium chloride
である。
★参考外部サイトリンク
命名法(猫でもわかる有機化学さん)