ドパミン塩酸塩の構造と化学名 薬剤師国家試験
第95回薬剤師国家試験 問2の3
日本薬局方医薬品の構造に対する化学名の正誤を判定してみよう。
3.4- ( 2-Aminoethyl ) benzene-2-hydroxyphenol monohydrochloride
第95回薬剤師国家試験 問2の3 解答解説
3.× 4- ( 2-Aminoethyl ) benzene-2-hydroxyphenol monohydrochloride
→ 〇 4-(2-Aminoethyl) benzen- 1,2-diol monohydrochloride
設問の化合物はドパミン塩酸塩である。
◆ 主基・母核
優先順位は、アルコール>アミン なので、
主基は、母核に2つの−OHが結合するジオールである。
官能基の優先順位については、下記のリンク先を参照
IUPAC命名法 官能基の優先順位 100回問10
母核はベンゼン環である。2つの−OHの母核における位置番号を示す必要があるが、OHが結合する炭素ができる限り小さい番号となるよう番号を振る。
よって、母核+接尾語は、benzen- 1,2-diolとされる。
◆ 置換基の命名
母核のベンゼン環の4位にethyl amino基が置換している。
一般に、母核に置換した炭化水素鎖の炭素の番号の付け方は、母核に結合している炭素を1位とする。
よって、置換基のethan鎖のうち、母核のベンゼン環に結合する炭素が1位、amino基が置換する炭素が2位となる。
また、設問の化合物は塩酸塩なので、
monohydrochloride とされる。
以上のことから、4-(2-Aminoethyl) benzen- 1,2-diol monohydrochloride である。
★参考外部サイトリンク
命名法(猫でもわかる有機化学さん)