トルブタミドの構造と化学名 薬剤師国家試験
第94回薬剤師国家試験 問2b
日本薬局方医薬品の構造に対する化学名の正誤を判定してみよう。
b.N-(butylcarbamoyl)-4-methylbenzenesulfonamide
第94回薬剤師国家試験 問2b 解答解説
b.〇 N-(butylcarbamoyl)-4-methylbenzenesulfonamide
設問の化合物は血糖降下薬のSU薬のトルブタミド(販売中止)である。
◆ 主基・母核
主基はスルホンアミドで、
母核はベンゼンスルホンアミドである。
トルブタミドのように、環状の炭化水素に直接主基が結合している構造が母核である場合、主基が結合しているベンゼン環の炭素を1位とする。
◆ 置換基の命名
母核において、スルホンアミドのNにブチルアミド基が置換し、
ベンゼン環にメチル基が置換しているので、
これらを接頭語で記す。
アミドの接頭語はcarbamoyl-なので、
スルホンアミドのNに置換するブチルアミド基は、
N-butylcarbamoyl-となる。
メチル基の置換するベンゼンの炭素番号は4位なので、
4-methylとなる。
以上のことから、トルブタミドの化学名は、
N- (butylcarbamoyl)-4-methylbenzensulfonamide
である。
★参考外部サイトリンク
命名法(猫でもわかる有機化学さん)