テトラカイン塩酸塩の化学名 98回薬剤師国家試験問101の3
第98回薬剤師国家試験 問101の3
以下の日本薬局方収載医薬品の構造式と化学名の組み合わせの正誤を判定してみよう。
3.2-(Diethylamino)ethyl 4-(butylamino)benzoate monohydrochloride
第98回薬剤師国家試験 問101の3 解答解説
3.× 2-(Diethylamino)ethyl 4-(butylamino)benzoate monohydrochloride
→ 〇 2-(Dimethylamino)ethyl 4-(butylamino)benzoate monohydrochloride
設問の化合物はエステル型局所麻酔薬のテトラカイン塩酸塩(テトカイン)である。
◆ 主基・母核
優先順位は、エステル>アミン なので、
主基はエステルである。
官能基の優先順位については、下記のリンク先を参照
IUPAC命名法 官能基の優先順位 100回問10
エステルはカルボン酸とアルコールが脱水縮合したものである。そのことから、エステルを主基とする化合物のIUPAC名は、「アルコールの炭化水素基 + カルボン酸のic acidをateにしたもの」が基本となる。
テトラカインはエタノールと安息香酸(benzoic acid)から生成したエステルであるので、
母核+接尾語は、ethyl benzoateとなる。
◆ 置換基の命名
エステルの安息香酸側のベンゼン環の4位にbutylamino基が置換しているので、
4-(butylamino)benzoateとなる。
エステルのエタノール側のethyl基の2位にdimethylamino基が置換しているので、
2-(Dimethylamino)ethylとなる。
◆ 塩の命名
塩酸塩であるのでmonohydrochlorideとなる。
以上より、テトラカイン塩酸塩の化学名は、
2-(Dimethylamino)ethyl 4-(butylamino)benzoate monohydrochloride となる。
★参考外部サイトリンク
命名法(猫でもわかる有機化学さん)
★他サイトさんの解説へのリンク
98回問101(e-RECさん)