アドレナリンの構造と化学名 薬剤師国家試験
第91回薬剤師国家試験 問2a
日本薬局方医薬品の構造に対する化学名の正誤を判定してみよう。
a.4-[(1R)-1-hydroxy-2-(methylamino)ethyl]benzene-1,2,-diol
第91回薬剤師国家試験 問2a 解答解説
a.〇 4-[(1R)-1-hydroxy-2-(methylamino)ethyl]benzene-1,2,-diol
aはアドレナリン(ボスミン,エピペン)の構造である。
◆ 主基+母核
優先順位は、アルコール>アミン なので、
主基は−OHである。
官能基の優先順位については、下記のリンク先を参照
IUPAC命名法 官能基の優先順位 100回問10
母核はベンゼンであり、
2つの−OHが互いに隣接する炭素に結合しているので、
母核+接尾語は、benzen-1,2-diolとなる。
◆ 立体
側鎖のethylの1位炭素は不斉中心である。
不斉中心の絶対配置の判別の仕方については、下記のリンク先を参照
不斉中心の絶対配置の判別について
4番目のHが奥にあり、@ABが時計回りに並んでいるので、Rである。よって、1R
以上のことから、アドレナリン(ボスミン,エピペン)の化学名は、
4-[(1R)-1-hydroxy-2-(methylamino)ethyl]benzene-1,2,-diol である。
★参考外部サイトリンク
命名法(猫でもわかる有機化学さん)