アセチルコリン塩化物 薬剤師国家試験
第95回薬剤師国家試験 問2の4
日本薬局方医薬品の構造に対する化学名の正誤を判定してみよう。
4.2-Acetyl-N,N,N-trimethylethoxyammonium chloride
第95回薬剤師国家試験 問2の4 解答解説
4.× 2-Acetyl-N,N,N-trimethylethoxyammonium chloride
→ 〇 2-Acetoxy-N,N,N,trimethylethylaminium chloride
設問の化合物はアセチルコリン塩化物である。
◆ 主基・母核
優先順位は、陽イオン>エステル なので
主基はアミニウムである。
官能基の優先順位については、下記のリンク先を参照
IUPAC命名法 官能基の優先順位 100回問10
母核はエチルアミンの陽イオンであるため、
母核+接尾語は、ethylaminiumである。
◆ 置換基の命名
母核のethan鎖の2位に酢酸エステルが置換している。
エステルを主基以外で命名する際、カルボン酸の-ic acid を-oxyに代えて接頭語とする。
よって、母核でない酢酸エステルは、acetoxyという接頭語になる。
アミニウムのNに3つのmethyl基が置換しているので、
N,N,N,trimethylethylaminiumとなる。
また、塩化物なのでchlorideと付けられる。
以上のことから、アセチルコリン塩化物の化学名は、
2-Acetoxy-N,N,N,trimethylethylaminium chloride である。
★参考外部サイトリンク
命名法(猫でもわかる有機化学さん)