95回薬剤師国家試験問33 医薬品Xの吸光度,モル吸光係数の計算
95回薬剤師国家試験 問33
医薬品X(分子量:500 ) 10.0mgをメタノールに溶かして正確に50mLとする。
この溶液10 mLを正確に量り、メタノールを加えて正確に100mLとする。
この溶液につき層長1cmで波長360nmにおける吸光度を測定する。
このとき得られる吸光度の値は[ a ]であり、Xの360nmにおけるモル吸光係数 (ε) は[ b ]である。ただし、Xの360nmにおける比吸光度 (E 1%1cm) は250である。
[ a ][ b ]に入れるべき数値の正しい組合せはどれか。
a b
1 0.050 1250
2 0.050 12500
3 0.250 1250
4 0.250 12500
5 0.500 1250
6 0.500 12500
95回薬剤師国家試験 問33 解答解説
正解は6であり、
[ a ]=0.500
[ b ]=12500 である。
◆ [ a ]について
本問では、ランベルト-ベールの法則を用いる。
下記のリンク先を参照
ランベルト-ベールの法則とは
ランベルト-ベールの法則の式において、
濃度をw/v%,層長(光路長)をcmで用いる場合、
比例定数には比吸光度(E 1%1cm)が適用され、
次式が成り立つ。
吸光度A = (E 1%1cm)・c(w/v%)・l(cm)
または
吸光度A = (E 1%1cm)・c(g/100mL)・l(cm)
試料溶液の濃度について問題文に、
「医薬品 X (分子量:500 ) 10.0mgをメタノールに溶かして正確に50mLとする。
この溶液10 mLを正確に量り、メタノールを加えて正確に100mLとする。」
とある。
試料溶液の濃度をg/100mLまたはw/v%で求めると、
よって、濃度cには0.002を代入する。
層長は1 cm,Xの波長360nmの比吸光度は250であるので、
吸光度Aは、
◆ [ b ]について
モル吸光係数と比吸光度については下記のリンク先を参照
モル吸光係数,比吸光度とは 96回問33d
医薬品Xの分子量は500、
医薬品Xの波長360nmの比吸光度(E 1%1cm)は250であることから、
医薬品Xの波長360 nmのモル吸光係数(ε)は下記のように計算できる。