吸光度から酸素飽和度を計算 102回薬剤師国家試験問201
102回薬剤師国家試験 問201
酸素飽和度は以下の式で表される。
酸素飽和度を測定するオキシメトリーでは、酸素が結合したヘモグロビン(HbO2)と結合していないヘモグロビン(Hb)の吸光係数が異なることを利用している。
図はHbO2とHbの吸光係数を表したグラフである。
ある血液試料の665nmと880nmにおける吸光度(A665、A880)を測定したところ、
その比(A665/A880)が0.8となった。
このとき、血液試料の酸素飽和度に最も近い値はどれか。1つ選びなさい。
ただし、測定においてランベルト・ベール(Lambert-Beer)の法則が成り立つものとし、吸光度にはHbとHbO2のみが寄与するものとする。
1 89%
2 91%
3 94%
4 96%
5 99%
102回薬剤師国家試験 問201 解答解説
正解は1の89%である。
ランベルト・ベール(Lambert-Beer)の法則については、
下記のリンク先を参照
ランベルト-ベールの法則とは
問題文中に、
「測定においてランベルト・ベール(Lambert-Beer)の法則が成り立つものとし、
吸光度にはHbとHbO2のみが寄与するものとする」とある。
よって、比例定数をaとすると、
ある波長の吸光度は次式で表される。
A = ( a HbO2・[HbO2]・l ) + ( a Hb・[Hb]・l )
比例定数aにはグラフから吸光係数を読み取って代入する。
よって、血液試料の665nmと880nmにおける吸光度(A665、A880)は次式で表される。
A665 = ( 0.1・[HbO2]・l ) + ( 0.6・[Hb]・l )
A880 = ( 0.2・[HbO2]・l ) + ( 0.15・[Hb]・l )
問題文中に、
「ある血液試料の665nmと880nmにおける吸光度(A665、A880)を測定したところ、
その比(A665/A880)が0.8となった」とあるので、次式が成り立つ。
これを整理すると、
[HbO2] = 8[Hb]
したがって、本問の酸素飽和度は下記のように計算できる。
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第102回問200,201(e-RECさん)