プロベネシドとアンピシリンの相互作用 99回薬剤師国家試験問171の3
99回薬剤師国家試験 問171の3
薬物相互作用の回避方法に関する記述の正誤を判定してみよう。
3 プロベネシドはアンピシリンの腎尿細管分泌を阻害するので、抗生物質を腎排泄型でないものに変更する。
99回薬剤師国家試験 問171の3 解答解説
3 ○ プロベネシドはアンピシリンの腎尿細管分泌を阻害するので、抗生物質を腎排泄型でないものに変更する。
一般に、アンピシリンなどのペニシリン系抗生物質は、
主に糸球体ろ過と尿細管分泌により尿中排泄されて消失する。
プロベネシドは、主な消失経路の1つとして、
尿細管分泌がある。
アンピシリンとプロベネシドは、
酸性薬物であり、これらの尿細管分泌には、
近位尿細管の有機アニオントランスポーター(OAT)が関与する。
プロベネシドとアンピシリンを併用すると、
プロベネシドによりアンピシリンのOATによる尿細管分泌が競合阻害され、
アンピシリンの血中濃度は上昇し、血中消失半減期は延長する。
なお、この相互作用を利用し、ペニシリンの血中濃度を維持するために、
あえてプロベネシドが併用されることがある。