プラバスタチンの体内動態 107回薬剤師国家試験問171
107回薬剤師国家試験 問171
プラバスタチンの体内動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選びなさい。
1 プラバスタチンは、シトクロムP450による代謝を受けやすい。
2 プラバスタチンは、胆管側膜に存在するMultidrug Resistance-associated Protein 2(MRP2)により胆汁中に分泌される。
3 プラバスタチンは、キニジンとの併用により中枢移行量が増える。
4 プラバスタチンの血中濃度は、シクロスポリンとの併用により上昇する。
5 プラバスタチンは、有機カチオントランスポーターOCT1を介して肝細胞内に取り込まれる。
107回薬剤師国家試験 問171 解答解説
◆ 1,2,5について
1 × プラバスタチンは、シトクロムP450による代謝を受けやすい。
→ 〇 プラバスタチンは、シトクロムP450などの酵素による代謝を受けにくい。
2 ○ プラバスタチンは、胆管側膜に存在するMultidrug Resistance-associated Protein 2(MRP2)により胆汁中に分泌される。
5 × プラバスタチンは、有機カチオントランスポーターOCT1を介して肝細胞内に取り込まれる。
→ 〇 プラバスタチンは、有機アニオントランスポーターOATP1B1を介して肝細胞内に取り込まれる。
プラバスタチン(メバロチン)は、
主に未変化体として、胆汁中排泄されることにより消失する。
プラバスタチンの胆汁中排泄について、
プラバスタチンは酸性薬物であり、
肝実質細胞の血管側膜に存在する有機アニオントランスポーターのOATP1B1により、
血中から細胞内へ取り込まれ、
その後、胆管側膜に存在するMultidrug Resistance associated Protein 2(MRP2)や、
Bile Salt Export Pump(BSEP)により、
胆汁中に排泄されると考えられている。
◆ 4について
4 ○ プラバスタチンの血中濃度は、シクロスポリンとの併用により上昇する。
シクロスポリンは、CYP3A4の阻害,P糖タンパク質の阻害, OATP1B1やOATP1B3等の有機アニオントランスポーターの阻害,BCRPの阻害など、多くの薬物相互作用が報告されている。
シクロスポリンとプラバスタチンを併用すると、
シクロスポリンはOATP1B1を阻害するため、
プラバスタチンの血中から肝実質細胞内への移行を抑制し、
プラバスタチンの血中濃度を上昇させると考えられる。
◆ 3について
3 × プラバスタチンは、キニジンとの併用により中枢移行量が増える。
キニジンは、CYP2D6阻害作用とP糖タンパク質阻害作用を有するが、
プラバスタチンとの相互作用は報告されていない。
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