メトホルミンとシメチジンの相互作用の機序 105回薬剤師国家試験問175の4

105回薬剤師国家試験 問175の4改題
薬物相互作用に関する下記の記述の正誤を判定してみよう。

 

4 ペプチドトランスポーターPEPT1を介したメトホルミンの尿細管分泌は、
シメチジンによって阻害され、メトホルミンの血中濃度が上昇する。

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105回薬剤師国家試験 問175の4改題 解答解説

 

4 × ペプチドトランスポーターPEPT1を介したメトホルミンの尿細管分泌は、
シメチジンによって阻害され、メトホルミンの血中濃度が上昇する。

 

メトホルミンは、主に糸球体ろ過と尿細管分泌により尿中排泄されて消失する。
メトホルミンの尿細管分泌について、
尿細管上皮細胞の血液側膜に存在する有機カチオントランスポーターのOCT2により血中から細胞内に取り込まれ、尿細管の管腔側膜に存在するMATE1、又はMATE2-Kにより細胞内から尿中に排泄される。
シメチジンは、CYP阻害作用と、トランスポーターのOCT2 ,MATE1,MATE2-Kの阻害作用を有する。
メトホルミンとシメチジンを併用すると、
シメチジンのOCT2 ,MATE1,MATE2-Kの阻害作用により、
メトホルミンの尿細管分泌が阻害され、
メトホルミンの血中濃度が上昇する。
なお、MATEは、H+と有機カチオンの逆輸送を行うトランスポーターである。

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