ニュートン流体のレオグラム 100回薬剤師国家試験問52

100回薬剤師国家試験 問52
ニュートン流体のせん断速度を縦軸に、せん断応力を横軸になるよう図を作成した。得られた図に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選びなさい。
1 粘度が大きいほど、直線の傾きは大きくなる。
2 縦軸との切片は降伏値を表す。
3 曲線はチキソトロピーを表す。
4 原点を通り、下に凸の曲線となる。
5 原点を通る直線となる。

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100回薬剤師国家試験 問52 解答解説
正解は5の「原点を通る直線となる」である。

 

ニュートン流体のレオグラムは下記のように原点を通る直線となり、
傾きは粘度の逆数(1/η:流動率)に等しい。

 

ニュートン流体のグラフの傾き 100回薬剤師国家試験問52

 

ニュートン流体では、
せん断速度(D)およびせん断応力(S)に関わらず粘度(η)は一定である。
また、流体の粘度(η)が大きいほど、レオグラムの直線の傾き(1/η)は小さくなる。
ニュートン流動を示す流体として、水、エタノール、グリセリンなどの純物質の液体や低分子の溶液がある。

 

 

以下、詳細

 

ニュートン流動とは、
次の@式で表されるニュートンの粘性法則が成り立つ流体のことである。
S = η・D …@
S:せん断応力(ずり応力) D:せん断速度(ずり速度)
η:粘度(粘性係数)

 

せん断応力(ずり応力)とは、液体の流れに平行な平面の単位面積あたりの内部摩擦力のことであり、F/Sで表されることもある。
せん断速度(ずり速度)とは、流れに垂直な方向の速度勾配である。
また、ニュートンの粘性法則が成り立つ流体をニュートン流体と呼ぶ。

 

@式は下記のA式に変換される。
D = (1/η)・S …A
S:せん断応力(ずり応力) D:せん断速度(ずり速度)
η:粘度(粘性係数)
A式における粘度の逆数(1/η)は流動率と呼ばれる。

 

縦軸にせん断速度D、横軸にせん断応力Sをプロットした図をレオグラムと呼ぶ。
A式より、ニュートン流動のレオグラムは原点を通る直線となり、
傾きは粘度の逆数(1/η:流動率)に等しい。

 

ニュートン流体のグラフの傾き 100回薬剤師国家試験問52

 

よって、ニュートン流体では、
せん断速度(D)およびせん断応力(S)に関わらず粘度(η)は一定である。
また、流体の粘度(η)が大きいほど、レオグラムの直線の傾き(1/η)は小さくなる。
ニュートン流動を示す流体として、水、エタノール、グリセリンなどの純物質の液体や低分子の溶液がある。

 

 

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