84回薬剤師国家試験問172 製剤のレオロジー特性の測定に関する記述

84回薬剤師国家試験 問172
製剤のレオロジー特性の測定に関する次の記述の正誤について、正しいものはどれか。
a ウベローデ粘度計は毛細管粘度計の1つであり、動粘度が求められる。
b 回転粘度計法は、ニュートン液体だけでなく非ニュートン液体に対しても適用できる。
c ペネトロメーターは、軟膏剤の展延性を測定する装置である。
d 粘弾性モデルには、マクスウェルモデルとフォークトモデルがあるが、前者はばねとダッシュポットの並列結合、後者は直列結合によって構成されている。

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84回薬剤師国家試験 問172 解答解説

 

◆ a,bについて
a 〇 ウベローデ粘度計は毛細管粘度計の1つであり、動粘度が求められる。

 

b 〇 回転粘度計法は、ニュートン液体だけでなく非ニュートン液体に対しても適用できる。

 

ウベローデ型粘度計,オストワルド型粘度計などの毛細管粘度計の測定値からニュートン流体の動粘度を算出する場合、流体の密度の値を必要としない。
なお、ウベローデ型粘度計,オストワルド型粘度計などの毛細管粘度計は、ニュートン流体の粘度測定に用いられるが、非ニュートン流体の粘度測定には用いられない。

 

 

◆ cについて
c × ペネトロメーターは、軟膏剤の展延性を測定する装置である。

 

ペネトロメーターとカードテンションメーターは、軟膏・クリームの硬さを測定する装置である。

 

ペネトロメーター,ウベローデ粘度計 84回薬剤師国家試験問172

 

 

なお、軟膏・クリームの延びや広げやすさ(展延性)を測定する装置はスプレッドメーターである。

 

ペネトロメーター,ウベローデ粘度計 84回薬剤師国家試験問172

 

関連問題
ペネトロメーターの模式図 95回問180c

 

展延性試験とスプレッドメーター 108回問181の2

 

 

◆ dについて
d × 粘弾性モデルには、マクスウェルモデルとフォークトモデルがあるが、前者はばねとダッシュポットの並列結合、後者は直列結合によって構成されている。

 

粘弾性体のモデルとして、弾性体のスプリングと粘性体のダッシュポットを組み合わせた装置が用いられる。
マクスウェル(Maxwell)モデルとは、スプリングとダッシュポットを直列に組み合わせたモデルである。
フォークト(Voigt)モデルとは、スプリングとダッシュポットを並列に組み合わせたモデルである。

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