粘度に関する記述 95回薬剤師国家試験問17

95回薬剤師国家試験 問17
粘度に関する記述のうち、正しいものはどれか。

 

a 動粘度の単位は、パスカル秒 ( Pa・s ) である。
b 純液体の粘度は、温度が高くなると増大する。
c 粘度 ( η ) 、ずり応力 ( F /S ) 、ずり速度 ( D ) が、F /S =ηD の関係にある液体をニュートン液体という。
d 回転粘度計は、ニュートン流体及び非ニュートン流体の粘度の測定に用いられる。

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95回薬剤師国家試験 問17 解答解説

 

◆ aについて
a × 動粘度の単位は、パスカル秒 ( Pa・s ) である。
→ 〇 動粘度の単位はm2・s−1またはmm2・s−1である。

 

粘度の単位はPa・s(パスカル秒)またはmPa・s(ミリパスカル秒)である。
粘度を同温度のその液体の密度で除した値を動粘度という。
動粘度の単位は下記のように求められる。
動粘度 = 粘度÷密度
= (Pa・s)/( kg・m−3)
= (N・m−2 ・s)/( kg・m−3)
= (m・kg・s−2・m−2 ・s)/( kg・m−3)
=  m2・s−1

 

なお、日本薬局方では、通例、
動粘度の単位としてミリm2・s−1 (m m2・s−1)が用いられる。

 

関連問題
粘度の単位 88回問16b

 

 

◆ bについて
b × 純液体の粘度は、温度が高くなると増大する。
→ 〇 純液体の粘度は、温度が高くなると低下する。

 

一般に、温度が上昇すると、分子の熱運動が激しくなり、分子間相互作用は弱まるので、粘度は低下する。
なお、液体の粘度と絶対温度の関係を表す式として、下記のアンドレード (Andrade) の式がある。

 

粘度に関する記述 95回薬剤師国家試験問17

 

アンドレード式においても、絶対温度が高いほど粘度は低いことになる。

 

 

◆ cについて
c 〇 粘度 ( η ) 、ずり応力 ( F /S ) 、ずり速度 ( D ) が、F /S =ηD の関係にある液体をニュートン液体という。

 

ニュートン流体の詳細ついては下記のリンク先を参照
ニュートン流体のレオグラム・動粘度の単位 93回問172

 

 

◆ dについて
d 〇 回転粘度計は、ニュートン流体及び非ニュートン流体の粘度の測定に用いられる。

 

回転粘度計は、液体中を一定の角速度で回転するローターに作用する力(トルク)をバネのねじれ度で検出し,粘度に換算する原理等を応用している。
回転粘度計はニュートン流体と非ニュートン流体のいずれの粘度測定にも用いられる。

 

粘度に関する記述 95回薬剤師国家試験問17

 

なお、ウベローデ型粘度計,オストワルド型粘度計などの毛細管粘度計は、ニュートン流体の粘度測定に用いられるが、非ニュートン流体の粘度測定には用いられない。

 

関連問題
ウベローデ型,オストワルド型粘度計などの毛細管粘度計の適する流体 94回薬問173d

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