94回薬剤師国家試験問173 レオロジーに関する記述の正誤
94回薬剤師国家試験 問173
レオロジーに関する記述の正誤について、正しいものはどれか。
a 粘弾性体に一定の応力を加え続けたとき、生じるひずみが時間経過とともに増大する現象をクリープという。
b 粘弾性体のフォークト (Voigt) モデルは、バネとダッシュポットを直列に組合せたモデルである。
c アンドレード (Andrade) の式は、液体の粘度と絶対温度の関係を表す。
d オストワルド (Ostwald) 型粘度計は、非ニュートン流体の粘度測定に適している。
94回薬剤師国家試験 問173 解答解説
◆ aについて
a 〇 粘弾性体に一定の応力を加え続けたとき、生じるひずみが時間経過とともに増大する現象をクリープという。
詳細は下記のリンク先を参照
粘弾性体のクリープと応力緩和 105回問50
◆ bについて
b × 粘弾性体のフォークト (Voigt) モデルは、バネとダッシュポットを直列に組合せたモデルである。
→ 〇 粘弾性体のフォークト (Voigt) モデルは、バネとダッシュポットを並列に組合せたモデルである。
粘弾性体のモデルとして、弾性体のスプリングと粘性体のダッシュポットを組み合わせた装置が用いられる。
マクスウェル(Maxwell)モデルとは、スプリングとダッシュポットを直列に組み合わせたモデルである。
フォークト(Voigt)モデルとは、スプリングとダッシュポットを並列に組み合わせたモデルである。
関連問題
粘弾性体のマクスウェルモデルとフォークトモデル 84回問172d
◆ cについて
c 〇 アンドレード (Andrade) の式は、液体の粘度と絶対温度の関係を表す。
一般に、温度が上昇すると、分子の熱運動が激しくなり、分子間相互作用は弱まるので、粘度は低下する。
液体の粘度と絶対温度の関係を表す式として、下記のアンドレード (Andrade) の式がある。
アンドレード式においても、絶対温度が高いほど粘度は低いことになる。
◆ dについて
d × オストワルド (Ostwald) 型粘度計は、非ニュートン流体の粘度測定に適している。
→ 〇 オストワルド (Ostwald) 型粘度計は、ニュートン流体の粘度測定に適している。
ウベローデ型粘度計,オストワルド型粘度計などの毛細管粘度計は、ニュートン流体の粘度測定に用いられるが、非ニュートン流体の粘度測定には用いられない。
回転粘度計はニュートン流体と非ニュートン流体の粘度測定に用いられる。