免疫比濁法(凝集比濁法)の原理 102回薬剤師国家試験問199の4

102回薬剤師国家試験 問199の4
イムノアッセイに関する記述の正誤を判定してみよう。

 

4 免疫比濁法では、免疫複合体の形成により粒子が凝集する性質を利用している。

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102回薬剤師国家試験 問199の4 解答解説

 

4 〇 免疫比濁法では、免疫複合体の形成により粒子が凝集する性質を利用している。

 

免疫比濁法(ネフェロメトリックイムノアッセイ)について、
ラテックス凝集比濁法を例に説明する。
抗原を固定化したラテックス粒子(人工多価抗原)を作成し、
それに抗体を反応させると、
免疫複合体の形成によりラテックス粒子同士が凝集して懸濁液となる。
凝集体が多いほど光の散乱が起こりやすく、
光の透過度が小さくなり、
吸光度は高くなり、
濁度は高いと評価される。

 

この反応系に遊離の抗原が加わると、
抗体との反応においてラテックス表面の抗原と遊離の抗原が競合し、
ラテックス凝集体の生成が抑えられる。
加えられる遊離の抗原が多いほど、
ラテックス凝集体の生成量は低くなり、
光の散乱が小さくなり、
吸光度は低くなり、濁度は低くなる。

 

免疫比濁法は、標識した抗原や抗体を用いず、
抗原抗体複合体(免疫複合体)の生成量を直接モニターするので、
非標識イムノアッセイに分類される。

 

また、免疫比濁法は競合法で、かつ、B/F分離が不要な均一系イムノアッセイに分類される。

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