イムノアッセイでの薬物などの低分子化合物の定量 92回薬剤師国家試験問34b
92回薬剤師国家試験 問34b
イムノアッセイに関する次の記述の正誤を判定してみよう。
b ラジオイムノアッセイ(RIA)でタンパク質は定量できるが、ステロイドホルモンや薬物などの低分子化合物は定量できない。
92回薬剤師国家試験 問34 解答解説
b × ラジオイムノアッセイ(RIA)でタンパク質は定量できるが、ステロイドホルモンや薬物などの低分子化合物は定量できない。
低分子でもハプテンであれば、
高分子のキャリアータンパク質と結合させることで免疫原性を獲得し、
低分子の抗原決定基に対する抗体を得られるので、
イムノアッセイでの定量は可能である。
生体内で免疫応答を誘導する性質を免疫原性と呼ぶ。
免疫原性を持つにはある程度の大きさの分子サイズを持つことが条件となる。
低分子は抗原決定基(エピトープ)を持っていたとしても、
分子サイズが小さいことから単独では免疫原性を持たない。
しかし、抗原決定基を持つ低分子はキャリアーと呼ばれる高分子と結合することで、
抗原決定基が認識されるようになり、免疫原性を獲得する。
このように、低分子のうち、抗原決定基(エピトープ)を持つが、単独では免疫原性を持たず、
高分子のキャリアーと結合することで免疫原性を獲得するものをハプテンと呼ぶ。
ステロイドホルモンや薬物などの低分子化合物はハプテンであり、
キャリアータンパク質と結合させれば免疫原性を獲得し、
低分子化合物の抗原決定基に対する抗体を産生させることができ、
それを用いてイムノアッセイで定量できる。
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