ハプテンとは 91回薬剤師国家試験問34d
91回薬剤師国家試験 問34d
イムノアッセイに関する記述の正誤を判定してみよう。
d それ自身で免疫原性を有する高分子物質をハプテンという。
91回薬剤師国家試験 問34d 解答解説
d × それ自身で免疫原性を有する高分子物質をハプテンという。
ハプテンとは、通常低分子で、抗原決定基(エピトープ)を持つが、
単独では免疫原性が無く、
単独では抗体を産生させる能力(抗原性)はなく、
タンパク質などの高分子のキャリアーと結合することで免疫原性を獲得するものである。
なお、問題文にある、
それ自身単独で免疫原性を有する高分子物質は完全抗原と呼ばれる。
以下、詳細
生体内で免疫応答を誘導する性質を免疫原性と呼ぶ。
免疫原性を持つにはある程度の大きさの分子サイズを持つことが条件となる。
低分子は抗原決定基を持っていたとしても、単独では免疫原性を持たない。
しかし、抗原決定基を持つ低分子はキャリアーと呼ばれる高分子と結合することで、
抗原決定基が認識されるようになり、免疫原性を獲得する。
このように、低分子のうち、抗原決定基を持つが、単独では免疫原性を持たず、
高分子のキャリアーと結合することで免疫原性を獲得するものをハプテンと呼ぶ。
イムノアッセイにおける低分子の定量について、
ステロイドホルモンや薬物などの低分子化合物はハプテンであり、
キャリアータンパク質と結合させれば免疫原性を獲得し、
低分子化合物の抗原決定基に対する抗体を産生させることができ、
それを用いてイムノアッセイで定量できる。