97回薬剤師国家試験問203 イムノアッセイ
97回薬剤師国家試験 問203
テイコプラニンの血中濃度の測定には、通常、免疫測定法が利用される。
免疫測定法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選びなさい。
1 免疫測定法は、多成分の一斉分析に適している。
2 ELISA (Enzyme-Linked Immunosorbent Assay) とは、酵素に特異的な抗原を検出・定量する方法である。
3 通常用いられるのは、IgGクラスの抗体である。
4 モノクローナル抗体を用いる系では、交差反応性は認められない。
5 均一系免疫測定法は、B(bound)/F(free) 分離を必要としない。
97回薬剤師国家試験 問203 解答解説
◆ 1について
1 × 免疫測定法は、多成分の一斉分析に適している。
免疫測定法(イムノアッセイ)は抗原抗体反応を利用した分析法であるため、
1つの目的成分を選択的・特異的に分析する方法である。
◆ 2について
2 × ELISA (Enzyme-Linked Immunosorbent Assay) とは、酵素に特異的な抗原を検出・定量する方法である。
酵素で標識した抗原または抗体を用いるイムノアッセイをエンザイムイムノアッセイ(EIA)と呼ぶ。
ELISA (enzyme-linked immunosorbent assay)とは、
エンザイムイムノアッセイのうち、
抗原あるいは抗体をプレートなどに固定した固相を用いるイムノアッセイを指す。
◆ 3について
3 〇 通常用いられるのは、IgGクラスの抗体である。
イムノアッセイで用いられる抗体は、
通常、IgGクラスの抗体である。
◆ 4について
4 × モノクローナル抗体を用いる系では、交差反応性は認められない。
モノクローナル抗体は特異性が高く、
交差反応性は小さいが、
交差反応が全く起こらないわけではない。
関連問題
モノクローナル抗体とポリクローナル抗体の交差反応性 102回問199の2
◆ 5について
5 〇 均一系免疫測定法は、B(bound)/F(free) 分離を必要としない。
イムノアッセイのうち、抗体に結合した抗原(B)と非結合の抗原(F)の分離(B/F分離)を行わない方法を、均一系免疫測定法(ホモジニアスイムノアッセイ)という。
一方、イムノアッセイのうち、B/F分離を行う方法を、不均一系免疫測定法という。
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