88回薬剤師国家試験問33 免疫学的測定法
88回薬剤師国家試験 問33
免疫学的測定法に関する記述のうち、正しいものはどれか。
1 測定に用いる抗体は、濃度が高いほど高感度となる。
2 標識を導入するのは、抗原だけである。
3 標識には、放射性同位元素または酵素のみが用いられる。
4 モノクローナル抗体を用いる系では、交差反応性は認められない。
5 B(bound)/F(free)分離操作を必要としない方法もある。
88回薬剤師国家試験 問33 解答解説
◆ 1について
1 × 測定に用いる抗体は、濃度が高いほど高感度となる。
抗原抗体反応が最もよく進行する抗原と抗体の割合が存在し、
それを最適比と呼ぶ。よって、濃度が高いほど高感度となるわけではない。
また、抗体の濃度が高すぎると、
抗体が目的抗原とは別のものと反応して誤差を生じることにつながる。
◆ 2について
2 × 標識を導入するのは、抗原だけである。
標識を導入するのは抗原だけではなく、
抗体も標識される。
◆ 3について
3 × 標識には、放射性同位元素または酵素のみが用いられる。
標識イムノアッセイに用いられる標識物質として、
ラジオアイソトープ(放射性同位元素),酵素,蛍光物質,発光物質などが挙げられる。
関連問題
化学発光イムノアッセイと蛍光イムノアッセイ 102回問199の3
◆ 4について
4 × モノクローナル抗体を用いる系では、交差反応性は認められない。
モノクローナル抗体は特異性が高く、
交差反応性は小さいが、
交差反応が全く起こらないわけではない。
関連問題
モノクローナル抗体とポリクローナル抗体の交差反応性 102回問199の2
◆ 5について
5 〇 B(bound)/F(free)分離操作を必要としない方法もある。