102回薬剤師国家試験問199 イムノアッセイに関する記述

102回薬剤師国家試験 問199
フェニトインは治療薬物モニタリング(TDM)対象薬であることから、イムノアッセイによる血中薬物濃度測定を行った。イムノアッセイに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選びなさい。

 

1 フェニトインなどの低分子は、サンドイッチ法により測定される。
2 モノクローナル抗体は、一般にポリクローナル抗体に比べて交差反応性が大きい。
3 化学発光イムノアッセイでは、標識物質に励起光を照射することで生じる発光を測定する。
4 免疫比濁法では、免疫複合体の形成により粒子が凝集する性質を利用している。
5 ELISAでは、抗原あるいは抗体を固定化した固相が用いられる。

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102回薬剤師国家試験 問199 解答解説

 

◆ 1について
1 × フェニトインなどの低分子は、サンドイッチ法により測定される。

 

サンドイッチ法は低分子には用いられない。

 

サンドイッチ法は複数の抗原決定基(エピトープ)を持つ抗原の測定に用いるものなので、
高分子の測定に適した方法であり、
低分子のハプテンの測定には用いられない。

 

関連問題
サンドイッチイムノアッセイは高分子化合物の定量に適している 96回問34d

 

 

◆ 2について
2 × モノクローナル抗体は、一般にポリクローナル抗体に比べて交差反応性が大きい。
→ 〇 モノクローナル抗体は、一般にポリクローナル抗体に比べて交差反応性が小さい。

 

詳細は下記のリンク先を参照
モノクローナル抗体とポリクローナル抗体の交差反応性 102回問199の2

 

 

◆ 3について
3 × 化学発光イムノアッセイでは、標識物質に励起光を照射することで生じる発光を測定する。

 

化学発光イムノアッセイでは、
標識物質に化学発光物質を用い、
標識物質が化学反応を起こすのに伴い放射する発光を測定する。

 

なお、蛍光イムノアッセイでは、
標識物質に蛍光物質を用い、
標識物質に励起光を照射して励起状態とし、
その後、励起状態から基底状態に戻る際に放射される蛍光を測定する。

 

 

◆ 4について
4 〇 免疫比濁法では、免疫複合体の形成により粒子が凝集する性質を利用している。

 

詳細は下記のリンク先を参照
免疫比濁法(凝集比濁法)の原理 102回問199の4

 

 

◆ 5について
5 〇 ELISA では、抗原あるいは抗体を固定化した固相が用いられる。

 

抗原あるいは抗体をプレートなどに固定して行うエンザイムイムノアッセイを、ELISA (enzyme-linked immunosorbent assay)という。

 

 

★ 他サイトさんの解説リンク
102回問198,199(e-RECさん)

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