107回薬剤師国家試験問178 薬物濃度が溶解度の半分に達するまでの時間

107回薬剤師国家試験 問178
固体薬物の溶解速度を回転円盤法を用いて温度一定の条件で測定したところ、図のような結果となった。試験液中の薬物濃度(C)が薬物の溶解度(Cs)の半分に達するまでの時間(min)に最も近いのはどれか。1つ選びなさい。
ただし、実験開始時の試験液中の薬物濃度は0、円盤の有効表面積(1 cm2)は試験中に変化せず、溶解はシンク条件において拡散律速で進行するものとする。
なお、ln2 = 0.69 とする。

 

107回薬剤師国家試験問178 薬物濃度が溶解度の半分に達するまでの時間

 

1 3.5
2 7.0
3 10.5
4 14.0
5 17.5

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107回薬剤師国家試験 問178 解答解説
正解は2の7.0である。

 

下記の溶解速度に関するNoyes-Whitney(ノイエス-ホイットニ−)の式について、
dC/dt = k・S・(Cs−C)
dC/dt:溶解速度 k:見かけの溶解速度定数 
S:固体薬物の有効表面積 Cs:薬物の溶解度 
C:溶液中の薬物の濃度

 

Sは一定で積分すると次式が成り立つ。
ln(Cs−C) = −k・S・t + ln (Cs−C0)
ここで、t=0のときC=0であり、
C0=0 であるので次式が成り立つ、
ln(Cs−C) = −k・S・t + ln Cs

 

上式より、
横軸を時間t,縦軸をln(Cs−C)としてプロットすると、
縦軸切片がln Cs、傾きが−k・Sの右下がりの直線が描かれることになる。

 

107回薬剤師国家試験問178 薬物濃度が溶解度の半分に達するまでの時間

 

関連問題
Noyes-Whitney式の積分とグラフ 96回問168

 

設問の図を用いて、直線の傾きより、
見かけの速度定数kの値を下記のようにして求められる。

 

107回薬剤師国家試験問178 薬物濃度が溶解度の半分に達するまでの時間

 

試験液中の薬物濃度(C)が薬物の溶解度の半分(Cs/2)に達するまでの時間(t1/2)は下記のようにして求められる。
ln(Cs−C) = −k・S・t + ln Cs より
ln(Cs−Cs/2) = −0.1min−1 cm−2・1 cm2・t1/2 + ln Cs
ln Cs/2 = −0.1min−1・t1/2 + ln Cs
ln2 = −0.1min−1・t1/2
1/2 = 6.9min

 

 

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