シンク条件下のみかけの溶解速度定数の計算 98回薬剤師国家試験問173

98回薬剤師国家試験 問173
固体薬物の溶解速度を回転円盤法で測定し、以下の結果を得た。
シンク条件下のみかけの溶解速度定数 98回薬剤師国家試験問173

 

シンク条件下のみかけの溶解速度定数(min−1・cm−2)に最も近い値はどれか。1つ選びなさい。
ただし、円盤の有効表面積は1cm2とし、試験中は変化しないものとする。また、溶液温度は一定であり、薬物の溶解度は0.5mg/mL とする。

 

1 0.010
2 0.014
3 0.016
4 0.018
5 0.020

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98回薬剤師国家試験 問173 解答解説
正解は5の0.020である。

 

下記の溶解速度に関するNoyes-Whitneyの式について、
dC/dt = k・S・(Cs−C) …@
dC/dt:溶解速度 k:見かけの溶解速度定数 
S:固体薬物Aの有効表面積 Cs:薬物Aの溶解度 
C:溶液中の薬物Aの濃度

 

シンク条件(Cs>>C)では、
次のA式が成り立つ。
dC/dt = k・S・Cs …A

 

A式を有効表面積Sが一定という条件で積分すると、
次のB式が成り立つ。
C = k・S・Cs・t …B

 

B式に設問の表のデータを代入してkについて解けば良い。

 

シンク条件下のみかけの溶解速度定数 98回薬剤師国家試験問173

 

表を見ると、時間と薬物濃度の比例関係が成り立つのは6minまでなので、
B式を用いて計算するならば、6minまでのデータを用いる必要がある。
今回は2minのデータで計算する。
溶解度は0.5 mg/mL、固体薬物の有効表面積は1 cm2
表より時間2minの時に溶液の薬物濃度は0.020 mg/mLであるので、
kは下記のように求められる。
C = k・S・Cs・t より
0.020 mg/mL = k・(1 cm2)・(0.5 mg/mL)・(2min)
k = 0.020 min−1・cm−2

 

 

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