見かけの溶解速度定数の計算 88回薬剤師国家試験問168

88回薬剤師国家試験 問168
固体薬物Aは拡散律速によって溶解し、溶解速度(dC/dt)は以下に示すNoyes Whitneyの式に従うことがわかっている。
dC/dt = k・S・(Cs−C)
C:薬物濃度 k:見かけの溶解速度定数 
S:有効面積 Cs:薬物の溶解度

 

見かけの溶解速度定数の計算 88回薬剤師国家試験問168

 

いま、固体薬物Aを円盤状に圧縮成形し、回転円盤法により37℃で溶解実験を行った。円盤の有効面積は5.0 cm 2、固体薬物Aの溶解度は1000μg/mLであった。有効面積を一定に保ち、シンク条件(Cs >> C )で測定を行うと、図に示す結果が得られた。この時の見かけの溶解速度定数(min −1・cm −2)はどれか。

 

1 0.0004
2 0.002
3 0.02
4 0.4
5 2

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88回薬剤師国家試験 問168 解答解説
正解は1の0.0004である。

 

溶解速度に関するNoyes-Whitneyの式について、
dC/dt = k・S・(Cs−C) …@
dC/dt:溶解速度 k:見かけの溶解速度定数 
C:薬物濃度 k:見かけの溶解速度定数 
S:有効面積 Cs:薬物の溶解度 

 

シンク条件(Cs>>C)では、
次のA式が成り立つ。
dC/dt = k・S・Cs …A

 

A式を有効面積Sが一定という条件で積分すると、
次のB式が成り立つ。
C = k・S・Cs・t …B

 

B式に設問で与えられているデータを代入してkについて解けば良い。

 

溶解度は1000μg/mL、有効面積は5.0 cm 2
グラフより時間5minの時に溶液の薬物濃度は10 μg/mLであるので、
kは下記のように求められる。
C = k・S・Cs・t より
10 μg/mL = k・(5.0 cm2)・(1000μg/mL)・(5min)
k = 0.0004 min−1・cm−2

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