粒子径が小さいほど薬物の溶解速度が大きくなる理由 100回薬剤師国家試験問49
100回薬剤師国家試験 問49
一般に、薬物粉末の粒子径が小さいほど薬物の溶解速度が大きくなる理由として最も適切なのはどれか。1つ選びなさい。
1 飽和溶解度の増大
2 比表面積の増大
3 粒子表面の拡散層の減少
4 薬物分子の拡散係数の増大
5 飽和層と内部溶液の薬物濃度差の減少
100回薬剤師国家試験 問49 解答解説
薬物粉末の粒子径が小さいほど薬物の溶解速度が大きくなる理由として最も適切なのは、
2の比表面積の増大である。
薬物の溶解速度は、単位時間当たりの薬物濃度の変化で表され、dt/dCに等しい。
薬物の溶解速度(dt/dC)について、
次のノイエス−ホイットニー式が成り立つ。
以上より、薬物の溶解速度(dt/dC)が上昇する要因として、
次のことが挙げられる。
・薬物の溶解度Csが上昇する。
・粉砕等で薬物の粒子径を小さくすることにより薬物の表面積を増大させる。
・溶液の攪拌速度を大きくする等により拡散層hを小さくする。
・温度が上昇する。
・溶媒の粘度ηが低下する。
粉体の平均粒子径と比表面積は反比例するので、
薬物を粉砕して粒子径を小さくすれば表面積は大きくなる。
そのため、粒子径が小さいほど薬物の溶解速度は大きくなる。
なお、薬物の粒子径をナノレベルまで低下させると、
溶解度も上昇することが知られている。
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