前立腺がんの治療に用いられるのはどれか 111回薬剤師国家試験問67の解説
111回薬剤師国家試験 問67
前立腺がんの治療に用いられるのはどれか。1つ選びなさい。
1 ナフトピジル
2 ダナゾール
3 デガレリクス
4 レトロゾール
5 タダラフィル
前立腺がんはテストステロン依存性に増殖することが多いため、
テストステロンを抑える治療が重要です。
デガレリクスは、GnRH受容体拮抗薬です。
GnRHとは、Gonadotropin-Releasing Hormoneの略であり、
性腺刺激ホルモン放出ホルモンのことです。
GnRHは視床下部から分泌され、
下垂体前葉に作用して、次の2つのホルモンの分泌を促します。
・LH:黄体形成ホルモン
男性では精巣に作用してテストステロン産生を促す
・FSH:卵胞刺激ホルモン
精子形成や卵胞発育に関与する
デガレリクスは、下垂体のGnRH受容体を遮断してLH分泌を抑え、
精巣からのテストステロン産生を低下させます。
デガレリクスの製剤としてゴナックス皮下注用があり、
前立腺がんに対して、
4週間間隔または12週間間隔で皮下投与されます。
以下では他の選択肢について解説します。
1 ナフトピジル
ナフトピジル(商品名フリバス)はα1受容体遮断薬であり、
前立腺肥大症に伴う排尿障害に用いられます。
ナフトピジルは、前立腺や尿道の平滑筋にあるアドレナリンα1受容体を遮断して、
尿道の緊張をゆるめ、尿を出しやすくする薬です。
2 ダナゾール
ダナゾール(商品名ボンゾール)は子宮内膜症治療薬です。
子宮内膜症は、子宮内膜に似た組織が子宮外で増殖する病気です。
この組織はエストロゲン依存性に増殖しやすいです。
ダナゾールは下垂体に作用してFSHやLHなどのゴナドトロピン分泌を抑制します。
ダナゾールがFSH・LH分泌を抑える
→ 卵巣機能を抑える
→ エストロゲンを低下させる
→ 子宮内膜症病変を萎縮させる
という流れで子宮内膜症を改善します。
さらに、ダナゾールは、卵巣,子宮内膜症組織に直接作用し、
異所性子宮内膜組織を萎縮・壊死させる効果もあると考えられています。
4 レトロゾール
レトロゾール(商品名フェマーラ)はアロマターゼ阻害薬で、
アンドロゲンからのエストロゲン生成を阻害します。
レトロゾールは以下のことに用いられます。
・閉経後乳癌の治療
・生殖補助医療における調節卵巣刺激
採卵のために卵胞を育てることです
・不妊や多嚢胞性卵巣症候群における排卵誘発
5 タダラフィル
タダラフィルはホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬です。
タダラフィルはPDE5を阻害し、
細胞内のcGMPを増やすことで平滑筋を弛緩させます。
タダラフィルは、肺動脈性肺高血圧症,
前立腺肥大症に伴う排尿障害,勃起不全の治療に用いられます。
