アルデヒド,ケトン ウィッティヒ反応(Wittig反応) 100回薬剤師国家試験問103
第100回薬剤師国家試験 問103
カルボニル化合物AをアルケンCに変換するのに必要な試薬Bはどれか。1つ選びなさい。
第100回薬剤師国家試験 問103
正解:Bの構造は5である。
AとホスホニウムイリドからCが生成する反応はウィッティヒ反応(Wittig反応)である。
この反応は、アルデヒド・ケトンとイリド反応させると、アルデヒド・ケトンの正に分極したカルボニル炭素に対してイリドが求核付加し、最終的にアルケンが生成するといものである。
なお、イリドとは、正電荷を帯びたヘテロ原子(N+,S+,P+など)と負電荷を帯びた炭素(C:−)が隣接している構造を含む化合物を指す。
ウィッティヒ反応は下記のように進む。
本問では、Bのホスホニウム塩に対して強塩基のノルマン-ブチルリチウム(CH3CH2CH2CH2Li)を反応させることで、Bからプロトンが引き抜かれてホスホニウムイリドが生成する。生成したホスホニウムイリドがAのケトンに対して求核付加し、ウィッティヒ反応により最終的にCのアルケンが生成する。
ウィッティヒ反応の生成物のアルケンの構造から、元の出発物のアルデヒド・ケトンとイリドの構造は次のように割り出せる。
同様にして、本問のウィッティヒ反応において、生成物のアルケンCの構造から、元の出発物のアルデヒド・ケトンとイリドの構造は次のように割り出せる。
割り出したイリドの構造から、Bのホスホニウム塩の構造は5だとわかる。
ホスホニウム塩Bから強塩基のn-ブチルリチウムによってプロトンが引き抜かれ、リンイリドが生成した。
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