アルデヒド,ケトンとアルコールからアセタール化の反応機構 91回薬剤師国家試験問9c
第91回薬剤師国家試験 問9c
カルボニル基に関する下記の記述の正誤を判定してみよう。
c アルデヒドは酸触媒下で、アルコールと反応し、アセタールを生成する。
第91回薬剤師国家試験 問9c 解答解説
c ○ アルデヒドは酸触媒下で、アルコールと反応し、アセタールを生成する。
アルデヒド・ケトンとアルコールの反応では、主生成物はアセタール(acetal)となる。
酸触媒下、アルデヒド・ケトンに対してアルコール(ROH)を反応させると、2分子のアルコールが求核付加したアセタールが生成する。
アセタールとは、以下に示す通り、
1つの炭素に2つのエーテル結合(―OR)が存在する構造を指す。
アルコールは電気的に中性なため求核性が弱く、pHが中性付近ではアルデヒド・ケトンとの反応が起こりにくい。しかし、アルデヒド・ケトンが酸触媒によりカルボニルの酸素がプロトン化され、カルボニル炭素の正の分極度合い(Cδ+)が強まって求核試薬との反応性が高まると、アルコールの求核付加反応が促進される。
酸触媒下、アルデヒド・ケトンに対して、アルコールが1つ求核付加してヘミアセタールを生成する。ヘミアセタールとは、1つの炭素に1つのエーテル結合(―OR)と1つのヒドロキシ基(−OH)が存在する構造を指す(ヘミとは半分を意味する)。
ここで、酸触媒存在下で過剰のアルコールが存在する場合、反応はさらに進み、ヒドロキシ基が酸触媒でプロトン化されて脱離し、その後、アルコールが付加し、最終的にアセタールが生成する。