アルデヒド,ケトンのアルドール縮合と脱水 反応機構 98回薬剤師国家試験問104の3
第98回薬剤師国家試験 問104の3
以下の反応3について、主生成物の構造を正しく示しているか判定してみよう。ただし、すべての反応は終了後、適切な後処理を施してある。
第98回薬剤師国家試験 問104の3 解答解説
設問の図の主生成物の構造は正しい。
2つのアルデヒドまたはケトンが反応して縮合し、
β−ヒドロキシカルボニル化合物が生成する反応をアルドール縮合反応という。
さらに、β−ヒドロキシカルボニル化合物の脱水が起こり、
結果としてα,β−不飽和カルボニル化合物が生成する場合もある。
アルドールとはアルデヒド+アルコールを意味するが、アルドール反応の生成物のβ−ヒドロキシカルボニル化合物はアルデヒドのみならずケトンの場合もある。
アルドール縮合反応の流れは次の通り。
まず、アルデヒドまたはケトンのα水素が塩基に引き抜かれてエノラートイオンが生成する。
そのエノラートイオンが他のアルデヒドまたはケトンのカルボニル炭素に求核付加し、
結果的に、β−ヒドロキシカルボニル化合物が生成する。
また、高温条件では、β−ヒドロキシカルボニル化合物の脱水が起こり、
α,β−不飽和カルボニル化合物が生成する。
設問の反応では、
アセトフェノンとベンズアルデヒドによるアルドール反応が起こる。
アセトフェノンにはα水素があるが、ベンズアルデヒドにはα水素がないため、
アセトフェノンのα水素がHO−に引き抜かれてエノラートイオンが生成し、
それがベンズアルデヒドに求核付加することになる。
よって、設問の主生成物の構造式は正しい。
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