ドネペジルの合成法 アルドール縮合の出発物の推定 99回薬剤師国家試験問106

第99回薬剤師国家試験 問106
ドネペジル(A)は、α,β-不飽和カルボニル化合物(B)を生成するアルドール縮合を経て合成される。このアルドール縮合において用いられるカルボニル化合物は1〜6のうちどれか。1つ選びなさい。

 

アルドール縮合の出発物の推定 99回薬剤師国家試験問106

 

アルドール縮合の出発物の推定 99回薬剤師国家試験問106

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第99回薬剤師国家試験 問106 解答解説

 

正解は1と5である。

 

2つのアルデヒドまたはケトンが反応し、β−ヒドロキシカルボニル化合物が生成する反応をアルドール反応という。アルドールとはアルデヒド+アルコールを意味するが、アルドール反応の生成物のβ−ヒドロキシカルボニル化合物はアルデヒドのみならずケトンの場合もある。

 

アルドール反応の流れは次の通り。
まず、アルデヒドまたはケトンのα水素が塩基に引き抜かれてエノラートイオンが生成する。そのエノラートイオンが他のアルデヒドまたはケトンのカルボニル炭素に求核付加し、結果的に、β−ヒドロキシカルボニル化合物が生成する。また、高温条件では、β−ヒドロキシカルボニル化合物の脱水が起こり、α,β−不飽和カルボニル化合物が生成する。

 

アルドール縮合の出発物の推定 99回薬剤師国家試験問106

 

 

上記のアルドール反応の流れを参考に、
アルドール反応の生成物のβ−ヒドロキシカルボニルの構造から、元の出発物のアルデヒド・ケトンの構造は次のように割り出せる。

 

アルドール縮合の出発物の推定 99回薬剤師国家試験問106

 

 

同様に、設問の化合物について、アルドール反応+脱水の生成物のα,β−不飽和カルボニルの構造から、出発物の2つのアルデヒド・ケトンの構造は次のように割り出せる。

 

アルドール縮合の出発物の推定 99回薬剤師国家試験問106

 

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