アルデヒド,ケトンのα水素引き抜きとアルドール付加反応 反応機構 97回薬剤師国家試験問104の3
第97回薬剤師国家試験 問104の3
下記の反応について、反応後、水で後処理すると、エタノール以外のアルコール化合物を生成するかどうか判定してみよう。
第97回薬剤師国家試験 問104の3 解答解説
2つのアルデヒドまたはケトンが反応し、β−ヒドロキシカルボニル化合物が生成する反応をアルドール反応という。アルドールとはアルデヒド+アルコールを意味するが、アルドール反応の生成物のβ−ヒドロキシカルボニル化合物はアルデヒドのみならずケトンの場合もある。
アルドール反応の流れは次の通り。
まず、アルデヒドまたはケトンのα水素が塩基に引き抜かれてエノラートイオンが生成する。そのエノラートイオンが他のアルデヒドまたはケトンのカルボニル炭素に求核付加し、結果的に、β−ヒドロキシカルボニル化合物が生成する。また、高温条件では、β−ヒドロキシカルボニル化合物の脱水が起こり、α,β−不飽和カルボニル化合物が生成する。
設問の反応では、2分子のアセトアルデヒド(CH3CHO)によるアルドール付加反応が起こる。アセトアルデヒドのα水素がナトリウムエトキシド(NaOCH2CH3)から生成する強塩基のエトキシドイオン(CH3CH2O:−)に引き抜かれてエノラートイオンが生成し、それが別のアセトアルデヒドに求核付加することになる。
反応3では、3−ヒドロキシブタナールが生成するので、エタノール以外のアルコールが生成するといえる。
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第97回問104(e-RECさん)