アルデヒド,ケトンとヒドラジンNH2NH2からヒドラゾンの反応機構 92回薬剤師国家試験問9e
第92回薬剤師国家試験 問9e
試薬eをアルデヒド・ケトンと適切な条件下で反応させたときの生成物をア〜カより選びなさい。
e NH2NH2
ア hydrazone
イ oxime
ウ acetal
エ imine
オ hydrate
カ cyanohydrin
第92回薬剤師国家試験 問9e 解答解説
アルデヒド・ケトンとヒドラジン(NH2NH2)の反応では、
生成物はアのhydrazoneヒドラゾン(−C=N−NH−)となる。
アルデヒド・ケトンに対し、酸触媒下、求核試薬としてヒドラジン(−NH−NH2)を反応させると、求核付加の後、脱水が起こってヒドラゾン(−C=N−NH−)が生成する。
一般に、アルデヒド・ケトンのカルボニル炭素は正に分極しており(Cδ+)、これに対して求核試薬(Nu)が付加反応を起こす。
本問の反応は、求核付加の後、さらに脱水が起こって、C=Nuとなる。
まず、酸触媒によってカルボニル(C=O)の酸素がプロトン化される。
これにより、カルボニル炭素の正の分極度(δ+)が強まり、
求核試薬との反応性が高まる。
そこへヒドラジン(−NH−NH2)が求核付加し、
その後、脱水が起こって、ヒドラゾン(C=N−NH−)が生成する。