アセトアルデヒドのグリニャール反応 97回薬剤師国家試験問104の1
第97回薬剤師国家試験 問104の1
下記の反応について、反応後、水で後処理すると、エタノール以外のアルコール化合物を生成するかどうか判定してみよう。
第97回薬剤師国家試験 問104の1 解答解説
設問の反応は、アルデヒドのグリニャール反応(grignard反応)である。
グリニャール試薬では、Mgと結合した炭素が負電荷を帯びており(C:−)、カルボアニオン(R:−)として振る舞う。
アルデヒド・ケトンにグリニャール試薬を反応させると、カルボアニオン(R:−)が正に分極したカルボニル炭素(Cδ+)に求核付加し、C=OがC(R)−O:‐となり、その後に水や酸の希薄溶液で処理すると、C(R)−OHのアルコールとなる。
下記はアルデヒド・ケトンのグリニャール反応(grignard反応)の様子である。
カルボアニオンは塩基性が強く反応性が高いので安定性が低い。よって、アルコールからアルデヒド・ケトンとカルボアニオンに戻る反応は起こりにくい。したがって、グリニャール反応は不可逆反応である。
設問の反応では、アセトアルデヒドとグリニャール試薬が反応し、主生成物はヘキサン-2-オールとなる。
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第97回問104(e-RECさん)