アルドラーゼの触媒反応 103回薬剤師国家試験問106
第103回薬剤師国家試験 問106
生体において解糖や糖新生は、アルドラーゼにより触媒される可逆過程(アルドール反応及び逆アルドール反応)を含む。Aの構造式として正しいのはどれか。1つ選びなさい。ただし、構造式はすべて鎖状構造を示している。
第103回薬剤師国家試験 問106 解答解説
正解:
Aに該当するのは3であり、これはフルクトース-1,6-ビスリン酸である。
2つのアルデヒドまたはケトンが反応し、β−ヒドロキシカルボニル化合物が生成する反応をアルドール反応(アルドール縮合)という。アルドールとはアルデヒド+アルコールを意味するが、アルドール反応の生成物のβ−ヒドロキシカルボニル化合物はアルデヒドのみならずケトンの場合もある。
アルドール反応の流れは次の通り。
まず、アルデヒドまたはケトンのα水素が塩基に引き抜かれてエノラートイオンが生成する。そのエノラートイオンが他のアルデヒドまたはケトンのカルボニル炭素に求核付加し、結果的に、β−ヒドロキシカルボニル化合物が生成する。また、高温条件では、β−ヒドロキシカルボニル化合物の脱水が起こり、α,β−不飽和カルボニル化合物が生成する。
設問の反応は糖新生の過程のうち、アルドラーゼが触媒する、ジヒドロキシアセトンリン酸とグリセルアルデヒド-3-リン酸のアルドール反応で、フルクトース-1,6-ビスリン酸が生成する。
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第103回問106(e-RECさん)