アルデヒド,ケトンとグリニャールGrignard試薬の反応でアルコール生成 94回薬剤師国家試験問8b
94回薬剤師国家試験 問8b
下記のGrignard反応剤 (A: CH3CH2CH2CH2 MgBr) の反応の主生成物の構造の正誤を判定してみよう。ただし、すべての反応は終了後、適切な後処理を施してある。
94回薬剤師国家試験 問8b 解答解説
設問の図の主生成物の構造は正しい。
設問の反応は、アルデヒドのグリニャール反応(grignard反応)である。
グリニャール試薬(R-MgX)では、
Mgと結合した炭素が負電荷を帯び、C:−となっており、
カルボアニオン(R:−)として振る舞う。
アルデヒド・ケトンにグリニャール試薬(R-MgX)を反応させると、
グリニャール試薬由来のカルボアニオンが、アルデヒド・ケトンの正に分極したカルボニル炭素(Cδ+)に求核付加し、
その後に水や酸の希薄溶液で処理すると、アルコールを生成する。
カルボアニオン(R:−)は、塩基性が強く反応性が高いので、安定性が低い。
よって、アルコールからアルデヒド・ケトンとカルボアニオンに戻る反応は起こりにくい。
したがって、グリニャール反応は不可逆反応である。
設問の反応は、
ホルムアルデヒドとグリニャール試薬のA(CH3CH2CH2CH2 MgBr)の反応であり、
下記のように進む。