ペムブロリズマブを投与する際に、コンパニオン診断薬によって検査する遺伝子変異あるいはタンパク質 111回薬剤師国家試験問70の解説
111回薬剤師国家試験 問70
ペムブロリズマブを投与する際に、コンパニオン診断薬によって検査する遺伝子変異あるいはタンパク質として正しいのはどれか。
1つ選びなさい。
1 BRCA1/2 遺伝子変異
2 EGFR 遺伝子変異
3 KRAS/NRAS 遺伝子変異
4 HER2 タンパク質
5 PD-L1 タンパク質
111回薬剤師国家試験 問70 解答解説
ペムブロリズマブを投与する際に、コンパニオン診断薬によって検査する遺伝子変異あるいはタンパク質として正しいのは、
選択肢5のPD-L1 タンパク質です。

以下で解説します。
コンパニオン診断とは、「この薬がその患者さんに効きやすいか、
または安全に使えるかを判断するために、薬を使う前などに行う検査」のことです。
コンパニオン診断には体外診断用医薬品や医療機器が用いられます。
ペムブロリズマブ、商品名キイトルーダは、
抗PD-1抗体に分類される免疫チェックポイント阻害薬です。
T細胞上の PD-1 に結合し、
がん細胞などに発現する PD-L1/PD-L2 との結合を阻害することで、
T細胞の抗腫瘍免疫を回復させます。
よって、ペムブロリズマブの投与可否や効果を判断するために、
がん細胞や腫瘍周囲免疫細胞に発現する PD-L1タンパク質を調べる必要があります。
以下では他の選択肢について解説します。
1.BRCA1/2 遺伝子変異
BRCA1/2遺伝子変異は、乳癌・卵巣癌・前立腺癌などで、
主に PARP阻害薬 の適応判断に関係するバイオマーカーです。
BRCA1/2遺伝子変異を検査する代表的な薬物として、
オラパリブ(商品名リムパーザ)
タラゾパリブ(商品名ターゼナ)
ニラパリブ(商品名セジューラ)
があります。
2.EGFR 遺伝子変異
EGFR遺伝子変異の検査は、非小細胞肺癌などで EGFRチロシンキナーゼ阻害薬、
たとえばゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブなどの適応判断に用いられます
抗ヒトEGFR及び抗ヒトMETヒト二重特異性モノクローナル抗体のアミバンタマブ(商品名ライブリバント)でもEGFR遺伝子変異の検査が行われます。
3.KRAS/NRAS 遺伝子変異
KRAS/NRAS遺伝子変異は、特に 大腸癌における抗EGFR抗体薬の使用判断で重要です。
代表的な抗EGFR抗体薬には、
セツキシマブ(商品名アービタックス)
パニツムマブ(商品名ベクティビックス)
があります。
4.HER2 タンパク質
HER2は特に、
乳癌
胃癌
大腸癌の一部
胆道癌の一部
肺癌の一部
などで問題になります。
代表的な抗HER2薬には、
トラスツズマブ(商品名ハーセプチン)
ペルツズマブ(商品名パージェタ)
があります。