水の性質に関する次の記述の正誤 82回薬剤師国家試験問28
82回薬剤師国家試験 問28
水の性質に関する次の記述の正誤について、正しいものはどれか。
a 液体の水が気化するとき、H2O 1mol当たりのエントロピーは増大する(儡>0)。
b 液体の水が凝固するとき、H2O 1mo1当たりのエンタルピーは増大する(僣>0)。
c 氷と水の化学ポテンシャルμは融点においては等しい。
d グルコース水溶液を凍結乾燥するとき、水分子は昇華して水蒸気となる。
82回薬剤師国家試験 問28 解答解説
◆ aについて
a 〇 液体の水が気化するとき、H2O 1mol当たりのエントロピーは増大する(儡>0)。
詳細は下記のリンク先を参照
液体の水が気化する時のエントロピー変化 82回問28a
◆ bについて
b × 液体の水が凝固するとき、H2O 1mo1当たりのエンタルピーは増大する(僣>0)。
→ 〇 液体の水が凝固するとき、H2O 1mo1当たりのエンタルピーは減少する(僣<0)。
詳細は下記のリンク先を参照
液体の水が凝固するときのエンタルピー変化 82回問28b
◆ cについて
c 〇 氷と水の化学ポテンシャルμは融点においては等しい。
純物質(一成分系)において、
融点・沸点など、
2つの相が共存する平衡状態では、
2つの相のモルギブズエネルギー(Gm)は等しい。
よって、系が純水の一成分系において、
融点では、
氷のモルギブズエネルギー = 水のモルギブズエネルギー
が成り立つ。
また、系が純物質(一成分系)の場合に限り、
モルギブズエネルギー(Gm) = 化学ポテンシャル(μ)
が成り立つので、
融点において、
氷の化学ポテンシャル = 水の化学ポテンシャル
が成り立つ。
◆ dについて
d 〇 グルコース水溶液を凍結乾燥するとき、水分子は昇華して水蒸気となる。
グルコース水溶液を凍結乾燥する操作は、
まず温度を低下させて水分子を凍結(凝固)させ、
次に圧力を低下させて水分子を昇華させる。