各相の化学ポテンシャルの勾配 91回薬剤師国家試験問18a

91回薬剤師国家試験 問18a
一定圧力下で、純物質の固相の温度を上げていくと、固相、液相、気相に変化する。図は温度Tの変化に伴う化学ポテンシャルμの変化を示す。固相、液相、気相の化学ポテンシャルがμs、μ? 、μgで示されている。次の記述の正誤を判定してみよう。

 

化学ポテンシャルの温度微分はエントロピー 91回問18a

 

a 各相の化学ポテンシャルの勾配はエンタルピーを示す。

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91回薬剤師国家試験 問18a 解答解説

 

化学ポテンシャルの温度微分はエントロピー 91回問18a

 

a × 各相の化学ポテンシャルの勾配はエンタルピーを示す。
→ 〇 各相の化学ポテンシャルの勾配はモルエントロピー(1モルあたりのエントロピー)を示す。

 

★ ギブズエネルギー(G)の温度依存性

 

閉鎖系においては、
系のギブズエネルギー(G)の温度・圧力依存性について、
次式が成り立つ。

 

dG = V・dp − S・dT …@
(dは微小変化を表す)

 

dG:ギブズエネルギーの微小変化
V:体積  dp:圧力の微小変化
S:エントロピー  dT:温度の微小変化

 

定圧条件下では、dp=0であるので、

 

dG = −S・dT …A
となる。
A式より、
ギブズエネルギーは、圧力一定の条件下では温度の上昇に伴って増加するといえる。

 

A式を変形すると、次のB式となる。

 

化学ポテンシャルの温度微分はエントロピー 91回問18a

 

系が純物質(一成分系)の場合、
B式を1mol当たりの量で考えると、次のC式となる。

 

化学ポテンシャルの温度微分はエントロピー 91回問18a

 

系が純物質(一成分系)の場合に限り、
モルギブズエネルギー = 化学ポテンシャル(μ:ミュー)
であるので、C式より、次のD式が成り立つ。

 

化学ポテンシャルの温度微分はエントロピー 91回問18a

 

D式は
単位温度変化に対する化学ポテンシャルの変化は、
モルエントロピーに等しいことを示す。

 

化学ポテンシャルの温度微分はエントロピー 91回問18a

 

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